7月12日発表の2017年のコーンの繰り越し残予測について考えるー【非会員限定】コーン先物情報ブログ
前回、2017年産コーンの生産量予測と去年、一昨年の比較について書いてきた。
生産量については、全体としては昨年よりも減少見込みなのだが、
予測よりは増加してる
と言うことがわかってきたと思う。
もちろん、生産量のみがコーン相場に影響を及ぼしているわけではない。
世界全体の消費量や2017年のコーンがどれだけ余る、
という繰り越し残も重要だ。
(2016年までの状況については以前書いた)
表題のとおり、生産量と繰り越し残が発表され、予測よりも大きな残となることがわかり、
強含んでいたコーン先物相場は以前の高値よりも値下がっている。
では、その情報はどれほどインパクトがあるものなのか?
今後を適切に予測するためにも、
改めて生データを見て行きたいと思う。
調べ方
下記サイトを開いてもらえれば、調べることができると思う。
このサイトの中の「Latest Releases」というものが、今回見て行きたい資料だ。
Grain: World Markets and Trade
長いレポートだが、この中の
「World Corn Production, Consumption, and Stocks」
を見てほしい。
(ブログにデータを貼り付けようとしたのだが、上手くいかず断念。。。)
表の1番下に「Ending Stocks」という欄があるが、アメリカの数量が、
前回(6月予測)までの5,360万tから、今回5,900万tになり、540百万t増加している。
他の国については大きく変化はしておらず、アメリカのみが変化している。
この情報から、6月予測から7月予測でアメリカの輸出量・消費量が減ったか、収穫量が増えたかのどちらかであることがわかる。
調べてみるとわかるが、生産量(Production)のアメリカ欄を見て行くと、6月予測は3億5,700万tなのに対して、7月予測は3億6,200万tに増加している。
これで、大体500万tになり、この分が繰り越し残の増加分となっていることがわかる。
(その下段にある国内消費(Domestic Consumption)を見ても、アメリカの6月と7月予測では差はほとんどない。)
つまり、アメリカ生産量の予測が増加したため、世界全体の繰り越し在庫が増加、
これをきっかけとして、荷余りになると予測しコーン価格が下落したことがわかってくる。
ただ、今回の増加分である、約500万tというのは、
アメリカの生産量の1.4%に相当、
世界全体の繰り越し残予測は2.5%の増加に相当し大きいように見えるが、
これは、世界の生産量全体の0.05%の増加にしか過ぎない。
…別の言い方をすれば、増加分といっても、アメリカの収穫量が減収になったらすぐ吹き飛んでしまう分に相当する。
また、今回の資料の中で
アメリカ以外はそんなに大きな変化がなかった、
ということもわかる。
まとめ
この記事だけを見ていると、
「確か、干ばつ傾向だったのに、なんで急に収穫量が増加に転じたの?」
という疑問も出てくる。
この疑問は、前回のブログで提示した生産量表をみれば、
作付面積が予測より増加したから
と答えられる。
こういった情報の関連性は複数の情報を取っているからわかることで、
ただ、なんとなくニュースを見ていては、こういったことはわからない。
実際に調べて、確認をするからこそ、ニュースでわからないことが見えてくるのだ。
実は上では書かなかったのだが、もう1つ見ておきたいことがある。
それが、世界的なConsumptionの増加だ。
過去を見ても、過去5年を見ても減っている年はなく、年々増加している。
この消費量が今後も増え続けるのか?、減り始めるのか?
考えていく必要がある。
質問はコメント欄に。
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