コーン価格が急騰した2010年に起きたことー【非会員限定】コーン先物情報ブログ
先日のブログで、2010年のコーン相場が急上昇している、
と書いた。
その際示したグラフはこちら。
2010年の6~7月にかけて、コーン価格が急上昇、
高値は$7.5まで上昇しており、かなりの大相場となっている。
その値動きは年初来安値である$3.5から倍を超えるようなもので、
売りで持っていたとすればとても耐えられないものだ。
このとき、いったい何が起こっていたのか?
今回のブログでは、原因を改めて考えていきたい。
収穫量が低かったせい??
まずは、2010年の作柄を見て行きたいと思う。
収穫量は下図のようになっている。
過去80年の推移だが、2010年を見ると、そこまで大不作と言うわけではない。
ほぼ平年並み、と言える量が収穫されている。
実際、単位当たりの収穫量は
となっており、こちらも平年並み。
大きな問題があったようには見えない。
ちなみに、繰り越し在庫を見て行くと、
2009年よりも大きく在庫を減らしていることがわかる。
2010年の作柄はそんなに悪くなかったことから、
需要が急増、
が予測できる。
では、なんで需要が伸びたのだろうか?
需要増加原因
今度は、アメリカ産コーンの使用方法の推移を見て行きたい。
下図は、2000年から2012年のコーンの需要についてのグラフである。
上記グラフで、09/10(2009年産)を見て行くと、
明らかに緑のエタノール向けが増加しているのが目立つ。
他を見ると、
青(Feed(飼料)) → 若干の減少
紫(Export(輸出)) → 横ばい
水色(Food Industrial(食品、工業品)) → 横ばい
赤(DDGS(穀物粕)) → 若干増加
となっている。
エタノールは石油品と競合しそうなので、石油の価格を見てみると
となっている。
2010年を見ると、現在より高値ではあるものの、そこまで価格は増加しておらず、
石油とはあまり関係ないように見える。
エタノールの生産量推移
では、なぜ、2010年のコーン価格高騰が起こったのか?
ヒントとなるのは、やはりエタノール生産量だろう。
次の図を見てほしい。
1980年以降のエタノールの生産量推移だが、
2010年までは毎年猛烈な勢いで生産量が増加していた!
更に、コーンの繰り越し在庫は非常に少なくなってしまったため、
コーン価格高騰を演じたものと考えられる。
まとめ
2010年を生きていた時、人々は、
まずい、このままエタノールの生産量が増加したら、
コーンが足りなくなる!!
と思ったのだろう。
それが、2倍を超える大相場を作った。
それでは、2010年以降のエタノールの生産量がどうなったか。
下の図を見てほしい。
実は、2010年はを境に、エタノールの生産量は伸び悩んでいる。
こういった情報を取っていくと、人々の熱狂が伝わってくるようだ。。。
そして、現在を生きている僕たちは、
コーンの不作
に怯えている。
しかし、改めて現在の状況を見て行くと
大幅に需要が増加するようなこともなく、
繰り越し在庫は潤沢にある。
今は、天気次第ではあるものの、
状況は悪くないので、怯える必要はないのではないか?
そんな気にされられる。
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