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干ばつとYIELD(単収)の関係についてー【非会員限定】コーン先物情報ブログ

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現在の米国産コーンはコーンベルトの70%でSilkingを終え、

 

受粉期となっている。

 

この時期の高温は減産に繋がる。

(花粉が高温には弱いため)

 

但し、直近では温度は最高気温が30℃程度まで下がり、

 

ちょうど良さそうな気候に見える。

 

ただ、実際、何を見て行けばいいのだろう?

 

今回のブログでは、今後の注目点について書いていきたい。

 

 

Silkingの次は、、、

次のステージは、以下のように進む。

 

「Silkingステージ」

★受粉★

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(受粉の仕組スイートコーン栽培の手引き | valor-navi バローナビ)

 

↓ 2-3週間

 

「Milkステージ」 (穀粒がミルク上にできてくる)

 

 2-3週間

 

「Doughステージ」 (ミルクが固形化する)

 

となっていく。

 

 

まずは、受粉がうまくいっているかどうかが問題だ。

 

花粉は熱に弱いのだが、10日間ほど毎日生産されるため、

 

数日間の熱波であれば問題ないとされる。

 

今年はSilkingの初めの5日間ほど高温であったため、

 

きちんと受粉しているか、心配されていたが、

 

現在は気温も下がったことから、

 

前半の高温の影響は少ないだろうとの意見の方が多い。

 

 

とはいえ、きちんとMilkステージに入ってきているのか、

 

これが一つのキーだろう。

 

この点については、今年どうなるのか、わからないことが多い。

 

 

干ばつの影響(受粉期)

受粉期の高温は受粉効率を大幅に悪化してしまうが、

 

ただ、干ばつであるだけであっても影響がある。

 

 

乾燥した天候である場合、Sikingの時期が遅れてしまうため、Tasselが花粉を生産しても、対応するSilkがないという事態が発生しやすい。

 

実際に、今年のSilkingは遅れており、多少の影響が懸念されるだろう。

 

また、Silk自体が乾燥に弱いため、乾燥によりSilkの花粉を捕まえる性能、捕まえた後、受粉する性能がなくなる可能性がある。

 

受粉ができないとコーンの穀粒ができないため、受粉ができないと収量は落ちてしまう。

 

このコーンの穀粒ができているかどうかについては、受粉後10日で確認ができるようなので、

 

来週以降、受粉状況についての報告も出てくるだろうと思われる。

 

受粉後14日で、穀粒は目で見てわかる大きさまで成長するので、詳細が明らかになるとのこと。

 

 

干ばつの影響(受粉後)

受粉後、穀粒形成されていくが、

 

この時期の干ばつにより、穀粒形成が中止されることがある。

 

また、Doughステージまでは、

 

どれだけの水分を得られるかがが穀粒の重量アップに重要な要素であるため、

 

当然干ばつは好ましくはない。

 

 

では、実際どれくらいの水分が必要なのだろうか?

 

 

 

水分の必要量

いろいろデータを探していると、「蒸発散(evapotranspiration )」と

 

Yieldロスの関係についての資料を見つけた。

 

20年以上前の資料にはなるが、参考程度に見て行きたい。

 

蒸発散(じょうはっさん, evapotranspiration)とは、蒸発(evaporation)と蒸散(transpiration)を合わせたもの。 地球上の水循環の中の1つ。 植物表面からの蒸散は植物学・生物学的な意味合いが大きい一方、蒸発は水文学的な意味が大きい。

 

 

 

各ステージでの蒸発散値によるYieldロスの関係

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参照

Derived from Rhoads and Bennett (1990) and Shaw (1988). From: What Happens Within The Corn Plant When Drought Occurs?, Joe Lauer, University of Wisconsin-Extension, 8/20/03.

 

本データは1990年、1988年のモノであり、現在は遺伝子組み換えが進んでおり、

 

Yieldはずっと良くなっていると思われる。

 

 

しかし、干ばつによる影響はそう大きく変わらない、と仮定して見て行くと、

 

受粉期からDoughステージにおける乾燥した気候により

 

数%のYieldロスとなる可能性が示されている。

 

(ただ、蒸発散に関する2017年産の資料がなく、あまり状況がわからない。。。)

 

まとめ

少なくとも、干ばつ傾向によるYield減が示唆されている。

 

これまでの干ばつにより、影響が全くないとは言えそうにないことが伺えるが、

 

どれほどまで影響があるかは、結局わからなかった。

 

残念ながら、実際の成長状況を見守るしかなさそうだ。

 

参照

松永総研 : とうもろこし市場パート2「米国とうもろこしの育成カレンダー」

https://afs.ca.uky.edu/files/drought_impact_on_corn_yields.pdf

Corn Agronomy: What Happens Within the Corn Plant When Drought Occurs?

 

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