WASDEの単収予測改定によるコーン価格の変動についてー【非会員限定】コーン先物情報ブログ
今年、どれほどのコーンが取れるのか?
アメリカ産コーンは今が瀬戸際だ。
悪材料としては、
ちょうどコーンの受粉期にコーンベルト全般が40℃近い高温に見舞われたこと。
好材料としては、
その後は落ち着いた天候に戻ったこと。
そういった状況から推察するに、ポイントは、受粉がうまくできているかどうかの一点に絞られる。
受粉さえうまくいっていれば、直近の適度な天候により状況は大きく回復していると見ていいだろう。
受粉状況、要はSilkingの次のステップに進んでいるのかどうかについては、
まだわからないことが多く、毎週発表される作柄状況を見て行くしかないだろう。
コーンに投資をするにあたり、考えていかなければならないことは
今後のストーリーだ。
どうなったときにどうなりそうか、
今回はそういったことを書いていこうと思う。
基準
ストーリーの基準としては、
1.7月12日に米国農務省は2017年コーンの単収予測として、
170.7ブッシェル/エーカーを予測
2.市場参加者は、現在165ブッシェル/エーカーを予測
3.2.の時、現在の価格(12月限$3.82/ブッシェル)が妥当と仮定。
この基準で話を進めたい。
8月10日に、米国農務省より収穫量予測が更新されるが、この発表で、米国農務省はどういった数値を示すのか?
数値別のストーリーを考えていきたい。
数値別ストーリー
需要が変わらない場合の繰り越し残をシミュレーションしていく
※計算式の数値は下記参照。
USDA | Commodity Forecasts | World Agricultural Supply and Demand Estimates
1.単収予測 :168ブッシェル/エーカー
繰り越し :2,128百万ブッシェル
2.単収予測 :165ブッシェル/エーカー
繰り越し :1,848百万ブッシェル
3.単収予測 :163ブッシェル/エーカー
繰り越し :1,681百万ブッシェル
4.単収予測 :160ブッシェル/エーカー
繰り越し :1,430百万ブッシェル
ここで、過去の繰り越しの推移を見て行く。
繰り越し推移
直近の繰り越し残は2010年から2013年で数値が落ち込んでいる以外、1,700以上で推移していることがわかる。
2010年~2013年はコーンの現物価格も$4.5~8.0程度を推移したことから、繰り越し残が1,300以上であれば、$4.5までは行かないと予測ができる。
先ほど上げたストーリーに戻ってみると、160ブッシェル/エーカーであっても繰り越しは1,430となっており、皆が現在思っている165ブッシェル/エーカーであったとしても、上げ幅はまだ限定的(高くなっても$4.3くらい?)と言える。
160より低くなると結構なコーン相場の高騰が予測されるが、今のところそうなりそうにはない。
逆に、163以上であれば、ほぼ昨年並みの繰り越し残が見込まれるため、コーン相場急落の可能性を考えなければならない。
まとめ
以上を踏まえて、自分の抱えるポジションをどう変えるかがポイントになってくるだろう。
ただ、大幅に価格が高騰する、というストーリーにはなりにくいことから、
買い玉は限定して、多少売り玉を作っていく時かな、
とは思う。(参考にはしないで!)
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