現在のコーン先物価格について考えようー【非会員限定】コーン先物情報ブログ
前回のブログで、WASDEの発表内容についてよくよく確認をし、最終的にはWASDEの予測通りいくのではないか、と言う予測を持っている。そんな中、コーン先物価格は徐々に下落。現在は現物で$332/ブッシェル、12月限では$364/ブッシェルと言うところまで下がってきている。
この価格はどういった先物価格と評価できるだろうか?安値なのだろうか?それとも買いを入れた方が良い時期なのだろうか?
今回のブログでは、この先物価格について考えていきたい。
(直近の円/ドルの変動も大きくなってきており、こちらの影響も大きそうだが、私の知識が及ばない世界なので、このブログではコーン価格のみを対象に考えていく。)
過去の現物価格を改めてみていく。
まずは、過去の価格から、現在の位置を探っていきたいと思う。
参照ZCY00 | Futures Price Quote for Corn
上図は過去5年間の価格推移。過去1年間の最安値は2016年9月中旬に記録した「$311/ブッシェル」であり、現在($332/ブッシェル)は最安値より$21/ブッシェルがのった価格である。で過去をみても最安値圏であることが分かる。もう一つの底が2014年9月中旬に324.1/ブッシェルというのがある。ちなみに、2015年についてはこの時期$370/ブッシェル近辺で推移している。つまり、2015年には現在の価格($332/ブッシェル)まで下がることはなかったのだ。
2017年はすでに2015年よりも下がってきている。問題は、これからどこまで下がるかだ。
そのヒントは、2015年、2014年の状況を見ることでわかってきそうだ。
2014、2015年の状況の繰り越し残について
コーンの現物価格はその年の繰り越し残の予測を踏まえて上下することから、まずはこれを見ていきたい。
2014年と2015年の繰り越し残は実はそんなに変わらない。ほとんど横ばいにもかかわらず、その過程で現物価格の値動きは全く異なる動きとなっていることが分かる。
ちなみに、2017年産の繰り越し残予測はWASDEの予測を見ると、2,273百万ブッシェルが予測されており、2016年の2,355百万ブッシェルとほぼ変わらないレベルとなっている。つまり、この予測通りになるならば、現物価格は2016年の安値である$311/ブッシェルと2014年の安値$324.1/ブッシェルの間まで下がってもおかしくないと思われる。
以上より、過去の価格推移から、まだ現物価格に下落の余地がありそうだ、と言うことができる。
現在はまだ下げの途上?
この点については、相場である以上、不明、となってしまう。しかも、現在の価格($332/ブッシェル)はチャートをどう見ても最安値圏。332を割っている時は、過去5年間でほんの一瞬しかないのだ。
現物を買えるのなら、どんどん買ってもいいタイミングである、ということができると思う。しかし、現実的には、投資家が購入するのは先物である。現在は順ざやであることから、先物の減価がまず間違いなく起こってくる。
整理すると、
現物 ⇒ 最安値圏
先物 ⇒ 安値圏だが、順ざやの為減価がある。
となるため、いちがいに買いを推奨できる状況ではないと言える。むしろ、順ざやの減価が面白いようにかかる時期と言うことができ、どちらかと言えば売り推奨であると言えるだろう。
問題点
実際にWASDEで発表された予測通りに作柄が進むかどうかが一番のキーである。将来は予測不能であるものの、現在の作柄についてみていきたいと思う。
参照
(このデータは主要なコーンベルトのみ(18州)を対象)
まずは、Corn Silking
今週 97%
前週 93%
平均 98%
(平均は5年平均)
5年平均の-1%である97%。若干遅れているものの、Silkingはほぼ終了している。
Corn Dough
今週 61%
前週 42%
平均 62%
こちらも、ほぼ平年並にまで追いついてきている。受粉をしていれば、このステージに入ることを考えると、高温だなんだかんだで大幅な作柄減が懸念されていたが、受粉はほぼ問題なくできていたと予測できる。
Corn Dent
今週 16%
前週 7%
平均 20%
これは、相当に遅れている状況であると思われる。ただし、作柄が良かった2016年も同時期に19%であったことを考えると、そんなに大きな問題ではないように思われる。
最後に一番の肝である、Corn Condition(作柄)を見ていく。
今週 62%
前週 60%
平均 74%
前週より改善しているものの、まだまだ平均よりも12ポイントも低い状態。僕の予測では、これが大きく改善することもないのではないかと思われる。そもそも、このデータの意味を疑うべき状況に入っている。このデータはコーンベルト18州をターゲットとしているが、対象外であるそれ以外の州の作柄が非常に良いとのことで、コーンベルト18州の落ち込みを補う予測となっているのだ。
参照
こうなってくると、米国農務省が毎週発表する「Corn progress」の意味がないということになってしまう。まあ、少なくとも、作柄は改善傾向にあることはいいニュースである。少なくとも大幅に悪化することも、大幅に良くなることもないのだろう、くらいは言えるのだろう。でも、対象外の州の状況を把握する方法が求められると考えている。
調べる方法があれば、このブログで書いていきたいと思う。
まとめ
コーンの先物価格については、まだ下がるかな?と言うのが僕の予想。(信じなくていいが)作柄についてはそんなに悪くない、という状況。正直、前回書いた時とそんなに変わらない予測。
また、干ばつ状況についても見てみると、アイオワ州の干ばつが少し悪化しているが、今後の天気は雨も多いようで、そんなに深刻にはならないかな、と言った感じ。他の地域については、干ばつ状態は改善方向へ進んでおり、ちょっと安心感があるとみていいだろう。
少なくとも、先物価格が急に上昇するという感じではないように思われる。むしろ、上昇したら売り増しを狙ってもいいかな、というのが僕の意見。
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