現在のコーン先物価格についての考察ー【非会員限定】コーン先物情報ブログ

アメリカ時間の8月20日にコーンの作柄状況が発表された。気になる作柄は先週とほとんど変わっていない。引き続き、作柄は若干改善へと向かっているように見える。今後の気候予測も雨予想が適度にあり、天気予報通りであれば、干ばつの懸念は後退し続けるだろうと思われる。平年よりも少し遅れているが、そこまで大きな影響があるような状況ではなく、作柄が今よりも急激に悪化する可能性はほとんどない状況だろう。

参照

コーンの作柄（USDA資料）

http://usda.mannlib.cornell.edu/usda/current/CropProg/CropProg-08-21-2017.pdf

このような状況を受け、コーン現物、先物価格は若干下落してきている。しかし、現物価格では$330/ブッシェル、12月限では$360/ブッシェルが壁となってきている。前回のブログでは現物は安値圏、先物は順ざやなので売り推奨、と書いたのだが、「買い」についても考えるべき時になってきているのではないか？と思いつつある。

（こちらが前回書いたブログ）

naohirokatoh.hatenablog.com

9月限について

9月限先物に着目すると、現在は$350となっている。これが、9月中旬の期限が近づくにつれ徐々に$330に向けてある程度値を落としていくだろう。これから期限までの期間で急激な価格上昇も見込めなさそうだし、今9月限を買うのはあまり得策とは言えそうにない。

12月限について

今一番が取引が多い12月限についても同じことが言えるだろうか？12月限と9月限の鞘は$14程度。つまり、現在の現物価格$330が12月限の期限から1か月残す地点まで維持された場合、この$14が減価していき、$350になっていることが想定される。

12月限を取引するにあたっての問題は、この9月と12月の鞘である$14をどう評価するかである。今買ったとして、9、10、11月と何も起きずに単に減価してしまえば、$14の損で終わってしまう。しかし、この3か月間に$14の減価をカバーするだけの上昇の可能性があるならば、購入の価値はあると言えるだろう。

そんな先物価格の上昇だが、可能性は高いと見ていいだろう。その理由についてこれから書いていく（まあ、あくまで個人的な予想だが、、、）

2017年11月までに上昇可能性が高い理由

2つある。

1つ目に、天候相場だ。アメリカの生産量は何度も見てきたが、これからの3か月間を予測するにあたり、問題となるのはブラジル、アルゼンチンなどの中南米だ。これらの国で作付面積がどうなるか？2018年の作柄がどうなるか？状況次第でコーン先物価格がアップダウンする可能性が高い。

これらの国の通貨はドル高が続きそうな状況であり、先物価格が下落するとはいえ作付面積が大幅減とはなりにくいと思われる。しかし、11月の南半球はコーンの植え付けが始まる時期であり、天候次第の作況によって天候相場にはなってくるだろう。少なくとも、天候懸念は高まってくるので、アップダウンが激しくどちらかと言えばアップに振れやすい時期になり、現在の鞘、$14は簡単に超えるだけの上下となるだろう。

2つ目に、過去のチャートを見ると、現在の現物価格$330は最安値圏であること。過去5年間のチャートを見ると、11月の先物価格は、$350-400のレンジにある。中央値は$375であり、現在の12月限の価格、$363でも安値だということができ、今買ったものですら利益になる可能性が高い、といえる。まあ、今買ったものが損になったとしても、買い下がっていけば、平均も下がるわけで、減価したとしても利益に持っていけるような気がする。