10月16日現在のコーンの状況について考察するー【非会員限定】コーン先物情報ブログ
10月12日にUSDAよりWASDEが発表となった。
今回は、簡単に要点をまとめていきたいと思う。
1.2017/2018の米国産小麦の単収が増加へ改善
9月発表 169.9 ⇒ 10月発表 171.8
単位:ブッシェル/エーカー
当初より、単収は増えそうだという予測が立っていたが、予測通り、今回の発表の中では改善見込みとなった。結構大きな単収改善である。
このまま行けば、過去第2位の収穫量を記録することとなる。
(参照:過去の単収)
1位 2016年 174.6
2位 2017年 171.8
3位 2014年 171.0
4位 2015年 168.4
単位:ブッシェル/エーカー
2.アメリカ、中国の需要増による繰り越し残の減少
需要(2017/18Proj.)
9月発表 1,057.1 ⇒ 10月発表 1,064.8
単位:百万MT
需要について詳細に見て行くと、
USA
9月発表 314.98 ⇒ 10月発表 315.86
中国
9月発表 238.00 ⇒ 10月発表 240.00
が大きく変化した部分となっている。他に、メキシコ、EUで微増。東南アジアは若干減少となっている。2016/17の需要見積もりが1,062となったことによって、2017/18の予測を少し増加したものと思われる。
3.世界全体の繰り越し残(2017/18Proj.)の微減
繰り越し残予測(2017/18Proj.)
9月発表 202.47 ⇒ 10月発表 200.96
単位:百万MT
米国の生産量の微増を増加した需要が吸収し、繰り越し残は若干の減少と言う予測へと変更となっている。
個人的な注目ポイント
僕としては、ブラジルの2017/18の収穫量に注目している。ブラジルは世界的な輸出マーケットであり、すでに世界全体の1割近い産地である。今回のWASDEの中では
9月予測 95 ⇒ 10月予測 95
単位:百万MT
と変わらずとなっている。
しかし、直近のニュースの中では2017/18のブラジルでの収穫面積は10%減少する、とか、20~25%減という予測が出てきている。(理由は植付期の雨やコーン価格の低迷)
参照:
Brazil's 2017/18 grain output may drop due to weather -Conab | Hellenic Shipping News Worldwide
Lack of rain may see Brazilian corn acres plummet - The Western Producer
この減少予測を直近のWASDEでは反映していない。よって、2017/18Proj.の世界の繰り越し残はもっと減少するものと思われる。
今後のコーン相場について
現在のコーン先物価格は、低迷している。12月限は$346-355/ブッシェルをさまよっている。
直近のチャートは下の通り。
一見すると価格は上昇トレンドと見えなくもないが、過去でも類を見ないほどのレンジ維持となっている。2016年と比較すると、妥当な価格帯と見えなくはないが、2014年のこの時期は$370/ブッシェル前後、2015年では$360/ブッシェル前後で推移していたことを踏まえると、まだ安値と言えると思う。
個人的には、12月限をかなり買い込んでいる(ちなみに平均は$353/ブッシェル)ので、希望的観測としても上昇してほしいところではある。(期限が近づいてきており、プレッシャーを感じ始める時期だ、、、。)
(買っている立場としてのバイアスがかかっていないか?と言うのが心配だが、多分大丈夫かな。)
まとめ
2017/18Proj.の世界的な繰り越し残が微減となった中、2017/18のブラジル産の作付面積が減少見込みであることから、今回のWASDEの予測よりも2017/18の世界的な繰り越し残は減少する可能性が高いと思われる。
これにより、原料が逼迫するとは言えないが、価格が安すぎるのは間違いないものと思われる。今後、若干の上昇が期待できると思われる。
今後についても、ブラジルの作付面積をよく追いかける必要がある。
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