コーン生育にとって熱波とは?ー【非会員限定】コーン先物情報ブログ
過去2つの記事で、アメリカのコーンベルトの天候状態について書いてきた。
ただ、これを読んで疑問が出てくる。
その疑問とは、
コーンの生育条件の中では天気は重要なのだろうけど、
結局どんな天候がコーンの生育にとっていいのだろうか?
である。
実際には、日本でも天候は毎年違い、当然、コーンベルトの天候も毎年同じわけではない。
また、地中の水分量によって、生育に必要な水分が得られるかどうかも変わってくるだろう。
とは言え、何か指標と言うものはないのだろうか?
今回のブログでは、そんな指標がないか、考えていきたいと思う。
熱波って何度?
コーンベルトの7月の気温は平均の最高気温が29~33℃である。
少なくとも、これくらいの温度であれば、生育状態には問題ないと思われる。
ちなみに、コーン生産量ナンバー1のアイオワ州の週間気温は
で問題はなさそうに見える。
しかし、先には37℃という文字もあり、不安感がないとは言えない。
実際、ここに熱波が来ると、コーンの生育にも影響が懸念される。
では熱波とは何度を言うのか?
Wikipediaによると、
熱波(ねっぱ、英: heat wave)とはその地域の平均的な気温に比べて著しく高温な気塊が波のように連続して押し寄せてくる現象のことである。
世界気象機関(WMO)の定義では、日中の最高気温が平均最高気温を5°C以上上回る日が5日間以上連続した場合をいう[1][2]。熱波の定義は地域によって異なる。
とある。
定義は地域によって異なるものの、大体5日以上連続して平均最高気温を5℃上回る
とは言えそうだ。
この定義から、今後のアイオワ州の天気を考えると、
熱波はない、
と言うことができる。
この条件が他の州に当てはまるかも見て行く。
(気温は低い、むしろ雨天日が多く、懸念される)
(気温はそこまで高くはない。雨もないのが気がかり)
(週間予報を見る限り、理想的な状況)
このように見て行くと、
より気温についてわかってきたのではないかと思う。
「ネブラスカ州が熱波に襲われるかも」
という情報が流れていたこともあったが、
熱波を38℃以上の気温が5日以上続く
とした場合、そこまでひどくはないと言える。
(雨の予報がなく、干ばつからは抜け出せそうにないが…)
また、次のサイトでは、コーンに高温障害が出る条件について
わかりにくく説明があったので、簡単に要約しておく。(そもそも華氏がわかりにくい)
High Temperature Effects On Corn | Farms.com
イリノイ大学農学者 Dr. Emerson Nafziger
・35℃前後 ⇒ コーンに悪影響なし(土に水がある条件で)
・37.8℃を超える ⇒ 条件によるがコーンにダメージとなりやすい。
アイオワ州立大学農学者Roger Elmoreと天候学者climatologist Elwynn Taylor
・33.9℃~36.7℃ 1日間 ⇒ 影響なし
・33.9℃以上 4日間 ⇒ 1%の単収(単位面積当たりの収穫量)減
・33.9℃以上 5日間 ⇒ 2%の単収(単位面積当たりの収穫量)減
・33.9℃以上 6日間 ⇒ 4%の単収(単位面積当たりの収穫量)減
・受粉(シルキング時期)の6日間33.9℃以上であっても、豊作はないが平年並みは保証される。
(2011年7月26日の記事)
とある。
この条件で見ると、
アイオワ州とネブラスカ州は高温気味で、特にネブラスカ州は干ばつ気味でもあるので、厳しい環境が続いている、
今が、シルキングの時期なので、そこまでひどいことにならない
と言うことができる。
もちろん高温障害もありえる。
とはいうものの、
これは2011年の記事なので、それ以降、コーンの品種改良がどこまで進んでいるか、
と言う疑問があり、参考程度に使用するのが良いだろう。
最新の記事があれば教えて頂きたい。
まとめ
今年が熱波が来ている、
と言う割に、
そんなにひどい状況ではないといえる。
コーンベルトの州の内、特に生産量が多い産地の状況は
アイオワ州は高温気味、
イリノイ州は平年並みで雨が多い
ネブラスカ州は高温で干ばつ、
ミネソタ州はちょうど良さそう。
といったところか。
(下記記事参照)
もう大丈夫だ、と言える状況ではなさそうだ。
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